ハンドバッグに使用した着物や帯のハギレが溜まってきました。工房では、現代まで大切に受け継がれてきた年代物の着物や帯の素材を、最後まで使い切ることにしています。これが、着物アップサイクルに込めている想いです。
さて、今回は、久しぶりにハギレからお地蔵さまを作ってみました。ひとりひとり、違うお着物を着せて、袖を合わせて数珠を持たせてみました。今回は6体制作しましたが、小さなお地蔵さまを全て並べて見たら、とてもにぎやかになって、見ているだけで楽しくなります。
お地蔵さまは、これまでにもハギレが集まった時に何度か制作しています。サイズもいろいろあるのですが、今回は手のひらサイズで、ちょっと背丈が高い「おとな」のお地蔵さまにしてみました。頭と胴体を1対1サイズにすると、赤ちゃんのようなコロンとした感じになるのですが、同じお地蔵さまでも、サイズが異なればまた違ったかわいらしさがあります。
このお地蔵さまですが、制作する際は、必要なパーツを別々に作り上げてから、最後の仕上げで、顔や耳や胴体をつなげます。お地蔵さまのお着物を選ぶときは、顔の表情を見つつ、どの色が似合うか・・・と考えて組み合わせました。
先日、数珠袋を制作したのですが、そこからインスピレーションを得て、今回作った小さなお地蔵さまにも数珠を持たせてみました。赤い座布団にお行儀よく鎮座している姿が、なんともかわいらしい仕上がりになりました。
お地蔵さまの顔は、特に誰かに似せているわけではないのですが、お地蔵さまの顔を見た人からは、「身近な人を思い出す」と言われます。工房にも飾ってあるので、お地蔵さまを気に入っていただいた方に、差し上げることもあります。
にぎやかに何体も並んでいるのを見るのも楽しいですが、お持ち帰りいただいた各ご家庭で、守り神のように飾っていただけるのも、とても嬉しいです。