最近はスッキリしない空模様が続きますが、6月に入り衣替えも終えて、少しずつ季節は夏に近づいているなぁと感じます。雨の日は、意外にも作業が捗るのですが、今回は、工房に眠る約100年前の小千谷縮の着物を解いて、ハンドバッグを2つ制作しました。明るい色が、小千谷縮の独特のシボにとても良くあっていると思います。
小千谷縮は新潟県の小千谷市発祥とする苧麻(ちょま)を使った麻織物で、江戸中期に越後上布を改良した麻織物の最高峰です。新潟発祥の着物の作品としては、最近では塩沢紬の信玄袋や斜めがけ鞄をご紹介しました。
これから始まる暑い夏の装いに合わせて、ぜひ使っていただきたい鞄です。
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丸底巾着かばん
100年前の人たちは、どのように夏を過ごしていたのでしょうか?着物姿で、うちわを片手に暑さを凌いでいたのでしょうか?日本の伝統に思いを寄せながら、一針一針、丁寧に着物をほどきました。大柄の花の模様を、かばんの本体と底に使いました。360度どこからみても小千谷縮の美しさが伝わる鞄です。
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竹製持ち手付きかばん
小千谷縮の、薄くてハリがある素材とバンブーの持ち手が、独特の雰囲気を作り出します。大小ふたつの花模様が朱色のコントラストを引き立てています。共布の持ち手だと「まとまりすぎかな?」と思う方には、竹製持ち手がアクセントになって、よりカジュアルな雰囲気のこちらのバッグがおすすめです。