最近は、新作の制作に没頭していました。アイディアは色々と溜まってきたのですが、早速、形にしよう思ったところ、さて「どんな作品が良いのか?」と考えてしまいました。
試行錯誤した中で新しい作品が完成しましたので、ご紹介します!
こちらは、昭和中期の無地の綴れ織り帯からアップサイクルしたトートバッグです。無地の綴れ帯は、どんな時にでも使うことができる帯で(附け下げから小紋まで)、一重太鼓ではありますが、格が高い帯とされ重宝されていたそうです。
無地とは言え、シンプルな霞ぼかしが織り出されていて、特有の固さとしなやかさを合わせ持った手触りの良い帯です。
なんとも美しい帯を目の前にして、アップサイクルが完成した姿を想像しながら色々と思案していると、あっという間に時間がすぎていきます。
今回のバッグには、ウッドハンドルをアクセントに、落ち着いた雰囲気ながらもカジュアルな感じを出しました。
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外側にはファスナーポケットがあると、スマートフォンや鍵など、取り出しやすくて便利ですよね。
バッグの胴体に帯地の共布でパイピングをつけました。
パイピングがしっかりとバッグ全体の印象をまとめます。
サイズは縦 23 ㎝ × 横 30 ㎝ × マチ 8㎝です。
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バッグ本体の口部は、マグネットホック付きのかぶせをつけました。
内袋にもファスナーポケットと貼り付けポケットをつけています。内袋は綸子生地を使用しています。
時間をかけて制作した甲斐があって、自分でもとても満足できる仕上がりのバッグになりました。一点物であることは、アップサイクルの醍醐味である一方、作品一つ一つが異なることで、一見すると非効率に思われるかもしれませんが、やはり作家としては、頭に浮かんでくるひらめきを大切に、これからも心を込めてアップサイクルを続けていきたいと思いました。
来年、何か習い事を始めようと思っていらっしゃる方にも、こちらのバッグはおすすめです。皆様のお出かけのお供に、綴れ織りのバッグを連れて行っていただけたら嬉しいです。