お客様からA4の書類が入るお稽古バッグのご提案をいただき、塩沢紬と鹿の子絞りの着物から手提げ袋を作りました。中仕切りをつけた手提げ袋は中身を整理しやすく、とても機能的です。
塩沢紬の部分は、素材の生地感を活かしてハリを持たせる様にし、鹿の子絞りの部分は柔らかさを生かして、ふっくらした仕上がりになる様に裏打ちしました。持ち手は、塩沢紬にベルトテープを合わせしっかりと仕上げました。裏地にはベイズリー柄のタイシルクを補強し、丈夫に仕立てました。鞄全体はとても軽量で、お稽古道具などで中身が重くなっても、持ち運びが苦になりません。
着物の柄から、和装に合わせてお使いいただくシーンを想像されるかと思いますが、色々なお洋服にも合わせてお使いいただけると思います。
着物の反物の幅は36cmほどなので、今回のようなA4書類が入る大きなハンドバッグを作ろうとすると、横幅を十分に取ることができません。しかし、幅を出すために鹿子絞りの着物を挟むことで、仕上がりのサイズがA4書類に対応できるという工夫をしています。
また、切り替え付きにすることで、見た目にもそれぞれの着物の持ち味を出しながら、上品さを感じていただける作品になったと思います。