中間の美
春らしい気候になったかと思うと、急に寒くなったりと、気温の乱高下に振り回されるこの頃。わたしは、厳しい冬が終わり、次第に暖かくなる季節の変わり目が非常に風情があって好きなのですが、考えてみれば、幸せなことに日本のような四季の美しさを感じられる国は、他にないのではないでしょうか?とりわけ、日本の着物文化も、そのような季節の移り変わりに合わせて、適応しながら発展してきたと思うと、白黒はっきりさせることもない、微妙な「中間」から生まれる美しさは、日本独特の美しさなのではないかと思います。
そんな中間の季節の、春にふさわしい新作を作ろうと考えていたのですが、今回は薄鼠色グラデーションが特徴的な小紋の着物から、色違いのバッグを作りました。底に使っている帯地の色を変えるだけで、雰囲気の違う仕上がりになりました。どちらも、奥ゆかしい日本の美を感じていただける作品になったと思います。(とおしマチ外ポケット付きのハンドバッグも作りました)
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気候変動が進んで、いつか、季節自体も無くなってしまう日が来るかも?
アップサイクルで、着物や帯を無駄なく最後まで使い切ることで、サステナブルな活動をしていきたいと思います。
(写真は、手提げ袋と数寄屋袋です)