手元にバンブーハンドルがあったので、何か作ろうかと考えていたところ、カジュアルな手提げ袋にアップサイクルできそうな着物をいくつか見つけたので、3種類の手提げ袋を作りました。
銘仙の着物をいくつか解いたのですが、銘仙は大正、昭和時代の女性のお洒落着として、とても流行っていたものです。わたしの手元にある着物の中にも多くありますが、この時代の着物は、カラフルな平織と大胆な大柄の模様が特徴的です。自由で快活な女性の雰囲気をそのまま表したような柄が多く、今の時代から見ても、古めかしさを全く感じさせません。むしろ、アップサイクルでハンドバッグなどの小物にリメイクして、ようやく気軽に持てるような大胆な柄は、元々の着物はどうやって着こなしたらいいのか・・・着こなしていたのか?と考えてしまうほどです。当時の人のファッションセンスには脱帽です!
3種類のバンブー手提げ袋は、全て和裁の仕立て方を使い「四つ縫い」で制作しています。表と裏を同時に縫ってあるので、非常にしっかりとした作りになっています。ご覧になっていただくと分かりますが、手提げの完成サイズは、着物の幅を最大限に有効活用していますが、使える部分の差がありますので、それぞれ異なっています。これがまたアップサイクルの自由なところです。32 X 30 cmで、マチはありませんので、手軽にご使用いただける手提げになったと思います。
制作しながら、特に当時のおしゃれを色々と想像してしまったのは、この市松模様の着物です。二種類の柄が織り上げられている、珍しい柄だと思います。中心に青い折りをひと筋いれ、それを境に柄が分かれており、非対称な柄がインパクト抜群です。同時に、クラシックな雰囲気も出している逸品だと思います。
赤いストライプの着物は、まさに、銘仙のハリ感を生かした手提げに仕上がりました。赤という大胆な色ではありますが、ストライプが入ることで、カジュアルなスタイルになるだけではなく、時代を超越したおしゃれ感が出たと思います。ファッショニスタにさりげなく持って欲しい!と思う作品です。
格子の織地に黄色の花が入ったこちらの着物は、自由な柄のようで、よく見ると格子を埋めるように配置された花びらが印象的です。滲んだようにも見える花が、控えめながらも、アクセントになっています。